株式会社 RKコンサルティング
Registered Kindness Management Consulting Corporation


【私の主張:2024年】2024年1月~2024年12月

【2024年11月10日】
・紅葉の時期となった。以前に紅葉のメカニズムを記述したが、秋になり気温が下がると落葉樹の葉と枝の間に離層が出来始め、糖分・水分の流れが止まり葉緑素が壊れてくる。葉の中に残った糖分によってアントシアンという赤い色素(カエデなど)やカロテノイドという黄色い色素(イチョウなど)ができ、これらの色素が浮き出て目立つと紅葉になる。紅葉がよりきれいに色づく条件は、昼間は日光が強く(葉の中に糖分を多くつくる)、夜間は冷え込む(糖分が葉の中に多く残る)ことである。

・近年は、秋の気温が徐々に高くなり、それに合わせて紅葉が徐々に遅くなってきている。紅葉が遅くなるのは地球温暖化が影響しているとのコメントもあるが、紅葉期間にも変化が発生している。多くの木々が一斉に色づき、一斉に散っていった場所が冷え込みが弱まったことで、紅葉が長く続くようになったとのことである。落葉樹が多い日本は美しい紅葉がいたるところで見ることができるが、同じ場所でも今後景観が異なることが予想されている。

・紅葉の時期が変化しているが春の桜前線も将来的に変化する情報がある。日本周辺の気温を平均で2~3℃程度高くなるよう設定したシミュレーションによると、2082〜2100年の19年平均の「開花予想日」は、1982〜2000年の19年平均と比べて、東北地方では2〜3週間早まる一方、九州の一部地域など温暖な場所は逆に1〜2週間遅くなることが分析されている。つまり、2100年には、3月末から4月上旬にかけて、九州から東北南部で一斉に桜が開花することになるとのことである。近年の異常気象から考えると今後の変化が心配である。


【2024年8月6日】
・今年は全国的に猛暑が続き7月下旬以降は38度以上の危険な暑さも相次いで観測された。福島県伊達市では8月5日に、10日には石川県小松市で40度に達するなど北日本や東日本を中心に記録的な高温となった。7月下旬の平均気温は北日本で1946年の統計開始以降1位を更新したほか、今月上旬の平均気温は東日本日本海側と西日本日本海側で1位を更新し今も猛暑が続いている。落語に「千両みかん」という演目がある。大店の若旦那が夏ど真ん中に「みかんが食べたい」というおかしな噺である。ちなみに、千両は現在の価値としては1億3000万円となる。

・夏の暑い盛り、呉服屋の若旦那は病に苦しみ明日の命も知れない状況であった。医者が診察しても原因がわからないが、おそらく気の病だろうと医師は言う。心のつかえや悩みを解決すれば回復すると言うが、父親がどんなに息子に問いかけてもこれといった返答がない。切羽詰まった思いで番頭を呼び出し、鬼の形相で番頭に命令する。「いいか、とにかく息子の心の内をお前が聞き出せ。息子が死んだら、お前は主殺しの罪でハリツケだ!」。ハリツケにおびえる番頭がやっと若旦那の思いを聞き出すと「みかんが食べたい」だった!

・番頭はパニック状態でみかんを探し、なんとか冬場のみかんを貯蔵している神田の果物問屋にたどり着いた。果物問屋は話を聞き山積みになった木箱を開け奇跡的に1個だけ傷んでないみかんを見つけた。金額は「千両」となったが主人の了承を得て譲ってもらった。買い求めて帰ると若旦那は十房ある内の七房をぺろりと食べた。残り三房を両親にと番頭に渡した。混乱している番頭はその三房をじっと見つめ「三房で三百両。このみかんを売れば三百両が手に入る」とみかん三房を持ってどこかへと逃げしてしまったというオチである。今年は異常な暑さである。頭が混乱しないように乗り切りたい。


【2024年2月17日】
・2月15日に関東地方で春一番が吹いた。2023年は3月1日だったので昨年より14日早くなった。「関東の春一番」の条件は、期間は立春から春分までの間、風速は南寄り(東南東~西南西)の風で東京で8m/s以上、気温は昇温した場合、気圧配置は日本海に低気圧などとなっている。東海では風速が名古屋・岐阜・静岡のいずれかで8m/s以上あるいは津で10m/s以上となっており地域で微妙に条件が違っているが共通の条件は立春から春分の間と南よりの風(東南東~西南西)となっている。

・「春一番」の言葉の由来は、1859年2月13日に強風によって長崎県壱岐郡郷ノ浦町の漁師が出漁中に転覆し多くの犠牲者を出した事故があった。このため、「春一番」は春の訪れを感じさせてくれる響きではあるものの、急発達する低気圧をお知らせする防災上非常に重要な表現として言い伝えられている。当時、漁師の間で「春一」と呼ばれていたが「春一番」と呼ぶようになったといわれている。

・この時期の防災上の注意点として、「強風」・「乾燥」・「なだれ」が特に指摘されている。「強風」は日本列島の広い範囲で南よりの風が強まり瞬間的には25m/sを超えるような暴風が吹くため注意が必要となる。「乾燥」はフェーン現象によって空気の乾燥が進み火災のリスクが高まる。「なだれ」は低気圧に向かって暖かく湿った空気が流れ込むことで気温が上がり多雪地では表層の雪がとけてなだれの発生するリスクが高まる。今年は年初から地震等の災害が発生しているため防災には特に注意して過ごしたい。


【2024年1月24日】
・新型コロナが5類に移行して初めての年末年始となった。年末年始(2023年12月23日~2024年1月3日)は国内・海外旅行も回復し海外旅行者は58万人と前年比2倍以上となり国内旅行者は2,800万人で国内旅行費は過去最高となる模様である。江戸時代には商家に勤める奉公人たちが正月(旧暦1/15)・盆(旧暦7/15)に休暇をもらって家に帰る休日(藪入り)があった。藪入りの日には主人が奉公人たちに着物・履物・小遣い・手土産などを与えて実家へと送り出した。江戸時代の奉公人は10歳前後から商家に住み込みで働くが休日は年2回の藪入りだけであった。この藪入りが現在の正月休み・盆休みとなり帰省や旅行の行事として受け継がれている。

・この「藪入り」を題材とした人情噺の古典落語がある。噺の概要は3年前に商家へ奉公に出した熊さんの息子の亀吉が始めての藪入りで帰ってくる時のやり取りとなる。前の晩は熊さんは嬉しくってなかなか寝つけない。亀吉が帰ってきたら温っかいご飯・納豆・・を食べさせ、湯に行ってから赤坂・梅島・・に連れて行くとの張り切りようだ。なかなか亀吉が現れずいらいらしている所へ亀吉が帰ってきた。すると亀吉が「めっきりお寒くなりまして、お父っさんもお母っさんもお変わりもございませんで・・」と、一人前のあいさつを始める。嬉しくて熊さんは口も聞けず、涙があふれて亀吉の顔も見えない有様だ。

・亀吉から土産などを受け取った後、熊さんは亀吉を湯に行かせる。その間に女房が亀吉の紙入れの中を見てしまい大金(15円)にびっくり。熊さんは小遣いだろうと言っていたが、女房に多過ぎると言われ、「亀吉のやつ、家に入ってきた時から目つきが悪かった。野郎、やりやがったな」と一気に豹変する。亀吉が帰って来るなり、「そこに座れ、あの金はどうしたんだ。白状しろ」。亀吉が言うには、あの金は病が流行った時、「懸賞付きのねずみ捕り」で当たった15円で、今日までお店で預ってもらっていた金だという。これを聞いて女房が謝る。熊さん 「へ~え、ねずみの懸賞で当ったのか、うまくやったな。主人、大事にしなよ、チュウ(忠)のおかげだから」というオチになっている。何ごとも早合点は禁物である。







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